TikTokで収益化を始めて数ヶ月。
ようやく毎月3〜5万円ほどの報酬が安定して入るようになり、手応えを感じていた頃のこと。
ある日、1本の動画が5万回再生を超えた瞬間、収益が突然ストップしました。
その数日後、動画は削除されたように見えました。
……しかし、実は裏で15万再生以上まで伸びていたのです。
そして私は思い出しました。
同じようなことを、BuzzVideoでも経験していたことを。
収益が止まる現象は「突然に」
私がTikTokで収益化を始めたのは2024年末ごろ。
Creator Rewards Programに登録し、月に数万円ずつの収益を得ていました。
ところが、1つの動画が5万回を突破したある日、状況は急変。
- その動画が突然ダッシュボードから消える
- アカウントの収益がゼロに
- 問い合わせてもテンプレ回答しか返ってこない
不思議に思っていたところ、その動画は外部リンク経由でまだ再生されていたと知りました。
なんと15万回以上の再生を記録していたのです。
「これはもう、意図的なのでは?」と感じた瞬間でした。
BuzzVideo時代にもあった、そっくりな現象
私はTikTok以前にBuzzVideoを使っていた時期があります。
そこでも、バズった投稿が突如削除され、収益も止まる現象が起きていました。
違うのは、BuzzVideoでは自分の動画が別アカウントで転載されていたことです。
- 再生数が跳ねると、剥奪される
- 本人は収益を得られない
- 動画は運営の管理下で再利用される
私の中で、「ああ、これは構造としてそうなっているんだな」と確信に変わりました。
なぜバズると収益が止まるのか?3つの仮説
① AIによる再審査と収益剥奪
バズる動画には広告収入が集中します。
再生数が伸びた時点で、AIが再スキャンを行い、「低品質」「再利用」などの判定で収益化を止めるロジックがあると考えられます。
この時点で、動画は運営側の「資産」として残され、投稿者は収益を得られない構造に。
② 支出を抑えるための“搾取モデル”
10万再生を超えると、投稿者の取り分も大きくなります。
しかしそれが続くと、プラットフォームの広告収益に影響が出る。
そこで、支払うべきタイミングで収益化を止めることで、ByteDance側は利益を最大化できるのです。
③ 日本語・日本人アカウントが狙われやすい
BuzzVideo時代から感じていましたが、日本語圏ユーザー、特に非中国語圏のアカウントは優遇されにくい傾向があります。
最近では、プロフィール名や動画の字幕が「変な漢字」「簡体字」になっているアカウントが明らかに増えています。
彼らは“中華風に擬態”して、収益化対象から外されないようにしているのです。
中華風なら収益が止まらない?
実際に、“中華風偽装”がTikTokで広まっています。
- 字幕を簡体字でつける
- 名前を「李花」「Chen Media」など中華系にする
- Douyin風のBGM・編集を使う
これらはすべて、「中国語圏ユーザーだと思わせることで、審査を緩くさせる」テクニックです。
私はいま、プロフィール名や投稿内容をあえて中国語風に寄せることで、収益剥奪リスクを回避しています。
なぜサポートは冷たいのか?──レイオフの影響
実は2024年以降、ByteDance(TikTok)は世界的に大規模な人員削減(レイオフ)を行っています。
- 2024年5月:e-commerce・クリエイター支援チームなどで数百人削減
- 2024年10月:欧米・アジア地域のサポート部門を縮小
- 2025年:東南アジア・日本語対応チームの機能が大幅に減少
これにより、クリエイターの収益停止や問い合わせに“人が対応しない”構造が生まれました。
つまり、運営が冷たいのではなく、問い合わせに答えられる人自体がいないのです。
私たちは守られない。使い捨てられるだけ。
バズった動画が勝手に消え、収益が止まり、問い合わせても無視。
それでも、動画は再生され続けている。
それが今のTikTokであり、BuzzVideoの時代から続く“搾取構造”です。
私たち投稿者は、プラットフォームにとっては単なる「素材提供者」でしかない。
バズれば“おいしい広告枠”として再利用され、払いはカット。
もはや、自分の動画が自分のものではない感覚に陥ります。
生き残るために、どうするか
バズで剥奪される構造に対して、投稿者ができることは以下のとおりです:
- バズりそうな動画はYouTube・Xなどにも投稿しておく
- 動画URLと収益データを必ず記録
- プロフィール名や字幕を“中華風”にしておく(※リスク管理)
- note・ブログなど、自分の土俵にコンテンツをストックする
- 広告収益だけに頼らず、自己サイトや誘導リンクを強化する
最後に
「バズること」がゴールではなく、**「バズっても消されない設計を作ること」**が重要な時代です。
バズった動画が誰かのもとで稼ぎ続けていても、自分には1円も入らない。
そういうことが、平然と起きています。
BuzzVideoもTikTokも、プラットフォームは守ってくれません。
だったら自分で、自分の居場所と収益構造を作るしかない。
この記事が、そう思うきっかけになれば嬉しいです。